本当はネックサイズ38と裄寸法84のサイズのとき、既製品では39-82とかで決めるようなことがあるかと思いますが、そうした妥協や過酷な状況に耐える必要はありません。
きちんと測って作るということは、そうしたシャツを買いに行ったときの半端な仕事とは無関係です。

個人のシルエットや個人のサイズに合うことを諦めなくてもいいですし、工場で決められたカラーの形や袖のタイプや、無個性で画一的なシャツを選ばなくてもいいのです。
広い視野で自分自身を向上させるチャンスがそこにあります。
お気に入りの生地や色彩で、ダブルのカフとワイドカラーで仕上げれば、フォーマルなビジネスの場でも着れますし、休日だったら海島綿の上質な綿を使ってもいいかもしれません。

おそらく海島綿のコットンがメンズシャツには最適です。形状記憶のガバガバのきじなどよりも心地よくて上品で、シルクほど贅沢でもないため、男性には魅力的なものの一つとして知られています。
良質なクラレットの赤ワインのように、海島綿のコットンには円熟した趣があります。
何年か洗ったあとは、この生地ならではの心地良い手触りとなります。
ここ数十年、海島綿のコットンは着ているとカラーや袖の部分が擦り切れる、つまり品質的に弱さがあることが指摘されてきましたが、多くの熱狂的なファンの評価から、逆にそれこそがシャツの味が出ている時とされ、個人をクールに、かつ物腰をソフトにさせるなど、着ていることでさらに上質な時間を提供してくれます。
海島綿のコットンは西インド諸島産でしたが、今日ではサウジアラビアからのものが最良とされています。