英国王室には、「綿製品はシーアイランドコットンで」というしきたりがありました。
これは16世紀後半に英国に西インド諸島を領有した時とき、王室にシーアイランドコットンが献上されたことに端を発します。その後、このコットンは英国王室や貴族たちを魅了し、英国紳士たちの間でステイタスシンボルとして愛され続けてきました。
世界のいずれの気候風土でも育たず、カリブ海にだけ生きることを許されたこの綿は、長い間、英国から栽培から船積みまでを厳しく管理し、糸の輸出も英国の名門2、3社に独占されていたということ。まさに門外不出のかたちでその品質が守られてきたのです。